大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和55(あ)1353 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中一〇〇日を本刑に算入する。

理 由

弁護人伊藤和夫の上告趣意のうち、違憲をいう点は、爆発物取締罰則一条にいう

「治安ヲ妨ケ」るという概念は不明確なものといえないから(最高裁昭和四六年(

あ)第二一七九号同四七年三月九日第一小法廷判決・刑集二六巻二号一五一頁参照)、

所論は前提を欠き、その余は、判例違反をいう点を含め、実質は、事実誤認、単な

る法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

被告人本人の上告趣意のうち、爆発物取締罰則が形式的に無効であるとして違憲

をいう点は、同罰則が現行憲法施行後の今日でも法律としての効力を保有するもの

であることは当裁判所の判例とするところであるから(昭和二三年(れ)第一一四

〇号同二四年四月六日大法廷判決・刑集三巻四号四五六頁、昭和三二年(あ)第三

〇九号同三四年七月三日第二小法廷判決・刑集一三巻七号一〇七五頁、前掲昭和四

七年三月九日第一小法廷判決参照)、所論は理由がなく、「治安ヲ妨ケ」るという

概念が不明確であるとして違憲をいう点は、右概念が不明確なものといえないこと

は前述のとおりであるから、所論は前提を欠き、刑罰が苛酷かつ不均衡であるとし

て違憲をいう点は、同罰則一条に定める刑は残虐な刑罰といえないのみならず(最

高裁昭和二二年(れ)第三二三号同二三年六月二三日大法廷判決・刑集二巻七号七

七七頁、昭和五二年(あ)第一四三五号同五三年六月二〇日第三小法廷判決・刑集

三二巻四号六七〇頁参照)、同条所定の行為に対し所定のような法定刑を定めるこ

とは立法政策の問題であつて憲法適否の問題ではないから(最高裁昭和二三年(れ)

第一〇三三号同年一二月一五日大法廷判決・刑集二巻一三号一七八三頁、前掲昭和

五三年六月二〇日第三小法廷判決参照)、所論は理由がなく、その余は事実誤認の

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主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

よつて、刑訴法四〇八条、一八一条一項但書、刑法二一条により、裁判官全員一

致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和五六年一月二九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 中 村 治 朗

裁判官 団 藤 重 光

裁判官 藤 崎 萬 里

裁判官 本 山 亨

裁判官 谷 口 正 孝

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